鯉のぼり

小さい頃、五月になると青空に大きな鯉が悠々と泳いでいる姿を見てカッコイイな~、気持ち良さそうだな~と思ったのを覚えています。

鯉は青空を大海原で泳いでいるように静観で雄大でした。

風が吹くたびにその大きな体を揺らして泳ぎ始めます。

一匹だけの鯉もいれば、3匹、4匹と一緒になって泳いでいる鯉もいます。

鯉のぼりの時期が終わると悲しくなり、愛おしくなります。

また来年まで会えないと思うと名残惜しい気持ちにさえなりました。

たくさんの家が鯉のぼりを上げて、まるで鯉の魚群の様に大空を泳いでいました。

最近では中々鯉のぼりを見かけることが難しくなってきています。

少子化の問題や伝統を気にしない家庭環境が増えており、鯉のぼりの存在自体が脅かされています。

鯉のぼりを上げる事に一体どんな意味があるのでしょうか?鯉のぼりの歴史や由来などについてご紹介していきます。

鯉のぼりは、日本の風習として始まりました。

鯉のぼりが生まれたのは江戸時代にまで遡ります。

江戸時代に武家で始まった端午の節句の日でもある旧暦の5月5日まで行なわれた行事でした。

梅雨の雨の日に、男児の出産を願い、家の庭先で紙や布、不織布などに鯉の絵柄を書き、装飾したものを風になびかせて吹流しを鯉に見立てたのぼりを作ったのがきっかけと言われています。

皐月のぼり

鯉のぼりは別名で皐月のぼりとも呼ばれています。

現在は旧暦を使うのではなく、グレゴリオ暦の新暦を用いた5月5日まで飾られています。

俳句などでは夏の季語として用いられることもあります。

何故鯉が用いられるようになったのだろうか?その由来には中国の歴史が関係しています。

中国では昔、黄河の滝を多くの魚が登ろうと挑戦したが、結局登り切ったのは鯉だけで、そのまま竜になったと言う言い伝えがあることから鯉の滝登りが立身出世の象徴となりました。

本来鯉のぼりは、真鯉のみが飾られていましたが、明治時代に入り緋鯉も一緒に飾られるようになり、昭和時代に入ると家族を表すように子鯉も一緒に飾られるようになりました。

この他にも、真鯉に金太郎がしがみついている鯉のぼりなどもあります。

最近では一般的だった黒、青、赤などの鯉のぼりだけではなく、緑、黄色、オレンジなどいった色鮮やかな鯉のぼりも発売されています。

普通は男の子のいる家が鯉のぼりを上げるのが一般的ですが、女の子のいる家族が家族の人数分鯉のぼりを上げる家庭もあるみたいです。

他の色の鯉のぼりが登場した背景にはこういった需要に応えるためであると推測されます。

青色の子鯉だけでは足りなかったり、女の子だから青色以外の鯉が良かったりするなど理由は様々です。

鯉のぼりの一般的な形は、さおの上に回転球やかご玉を取り付け、その下に矢車を付けます。

鯉のぼりの設置順は、先ずは五色や鯉などを描いた吹流しを一番上段に配置して、真鯉、緋鯉、子鯉の大きさの順に並べていきます。

一戸建ての家に住む人が少なくなり、家の庭で鯉のぼりを上げられる環境になくなってきています。

都市部では特にそういった現象が現れており、季節の風物詩的な存在であった鯉のぼりの存在もだんだんと薄れて来ているように感じます。

子供の出世や健康な毎日が送れるように鯉のぼりに願いを込めて、青空という大海原や池に泳がしてあげる。

1年に1度の恒例行事としてまた多くの家庭で親しまれるイベントになってもらいたい。